キングダム 大将軍の帰還

本作を9月に入ったまだまだ残暑厳しい日曜日に観に行ってきました。

 

漫画としてすでに73巻を数える歴史大作「キングダム」。その映画版の第3作となります。本作は初期における最大の魅力的キャラ「王毅」が主役です。彼の若き頃の恋物語からその最期までを表現したまとまりのよい絵巻物。 

 

劇画で巧みに表現された小宇宙のような素晴らしき歴史絵巻を実写でどのように表現するか興味津々のこころを抱き地元映画館T-Joy東広島に臨みました。

 

そしてあっという間の2時間15分。 いやはや溜息が出るぐらい素晴らしい映像化でした。 最初王毅としては小柄過ぎないか?・・・という疑問も芽生えた大澤・王毅。本作では、もうそんなこと露とも感じさせないぐらい役にはまりまくり堂に入っており、彼の最期のシーンはすでに漫画で何度も読んでいるにもかかわらず新たな感動が湧いてくるほどの出来栄えでした。サブタイトル「大将軍の帰還」も素晴らしく映画としての本作の本質を的確に表現していることが観終わって納得でした。

 

キングダム・・。司馬遷の「史記」(わたしも10代のころ横山光輝作の史記を読ませてもらいました)から掘り起こしたとはとても思えない豊かな物語となっており、「漫画は漫画、映画は映画」としてこの先も長く観ていきたいと思いましたが、本作で映画版は終了とアナウンスされています。

 

確かにこれだけ素晴らしい映像を製作するには雄大なロケ地、豪華ラインナップな俳優陣のコストなどを考えると一作一作が大ヒットにならねば予算的に存続することが難しいであろうことは想像に難くなく、原作にしても、王毅の死後の物語はしばらく小競り合いを中心とした小康状態が続くため、映画化は難しいかもしれません。(李朴の最期の物語なら作れそうですが、原作でもまだそれはだいぶ先のようです・・) 

 

しかしそれでももしやあの大資本インターネット局・ネットフリックスならこの先を引き継ぎこのまま豪華ラインナップで映像化できるかも・・・なんという妄想を抱きながら映画館を出て9月なのにまだまだ暑い街の中に戻っていきました。