もしも徳川家康が総理大臣になったら

本作を灼熱の太陽がアスファルトを照り付ける真夏の昼に観に行ってきました。

 

昨年NHK大河ドラマでも取り上げられていた徳川家康・・。彼がもし総理大臣になったら、どう現代日本の国難に対処するかという非常にわかりやすいテーマであり楽しくキャッチーな作品でした。

 

織田信長はじめ足利義光、源頼朝、坂本龍馬、紫式部など日本史に輝く偉人(アヴェンジャーズならぬイジンジャーズです)たちが痛快に活躍する映画ならではの物語でした。 映画の中では彼らが気持ちよく活躍し、現代日本を痛快に立て直します。 そしてラストシーンでは世直しを成し遂げたのち、再び歴史の彼方に戻っていく姿が眩しく神々しかったです。

 

ふと気づいたのは、本作はおそらく、現在日本の低調かつ体たらくの状態を我ら日本の誇る歴史の偉人たちにでもなんとか解決してほしいという世相や想いから生まれた作品といえるのではないか? つまり本作は現代日本の政治家に失望している我々国民の失望の裏返しということなのです。

 

もちろん映画のようにこんなに痛快に日本が立ち直ればいいのですが、それはなかなか無理な話ではあります。

 

個人的に日本のここ数十年の低迷についてよく考えるのは、経済評論家・森永卓郎さんによる新聞・テレビなど各種メディアが全く取り挙げない隠れたベストセラー本「書いてはいけない」(なかなかお勧めの本なので未読であればぜひ読んでみてください)にも詳しいのですが、1985年の日航機123便の墜落事故の真相とその後の日本への影響です。 当時自衛隊による不測の事故とその後の国辱的事故隠ぺい工作という誤った作為、それを知りながら事故原因という泥をかぶってもらったボーイング社およびアメリカ側への大きな借りとその後の配慮・・・。 

 

確かに事故の直後からアメリカから、理不尽な合意や協定とも呼べないような日本への一方的な圧力や政治的拘束が決定されています。「プラザ合意」「日米半導体協定」などの施策です。それに続く90年代のアメリカとの「日米年次教書」(アメリカからの一方的な我が国への要求かつ強制であり、これが郵政民営化の基です)にも同じ匂いを感じます。これらはその後の日本の国力の停滞~低迷へ強く繋がったことは間違いなく、日本の主権を無視した非常に悲しい政治的敗北でした。(もちろん当時決断を下したであろう中曽根首相の決断は完全に間違ったものであり悲しい決断でもあります。)

 

これら数々の政治的に不利な合意および決定が、弱みを握られた末のアメリカ側からの強制だったとすれば、この理不尽な強制力を徳川家康をはじめとした日本史のヒーローたちがどう解決するかを観たいところです。

 

おそらく家康らならば、もはや秘密とも言えないこれらの秘密をすべて正直に国民にさらして、アメリカへの弱みを少なくし、もう一度日本の主権を回復するという方向に進むと思うのですが、いかがでしょうか?

 

いずれにせよ本作を観て、徳川家康や歴史の偉人たちとはいかないまでも、近づく与党の総裁選を経て10月はじめには新たな総理大臣が決まると思いますが、新総理にはなんとかアメリカから本当の主権を回復するような意志を持ちそれを行動につなげれる方になってほしいと思ったりしました。