陰陽師0

本作をなかなか梅雨入りしない天気の良い日が続く初夏の夜にT-Joy東広島にて観てきました。

 

「陰陽師」といえば、かつてわたしが仕事をしだして間もなくの頃の作品で、元々は夢枕獏さんの小説を、岡野玲子さんが素晴らしいタッチで漫画化しており、平安貴族の雅な世界に跋扈する怨霊や鬼神、妖魔を調伏していく格式高いタッチの作品でした。

 

今回はその「陰陽師0」というわけで、晴明がまだ一人前の陰陽師になる前の物語であり、いわゆるビフォアストーリーです。

 

その後、ホームズとワトソンのような関係をつくることになる源博雅との出会いと絆を中心に物語は展開しますが、何より素晴らしかったのは、何と言っても平安京の風景、とくに陰陽寮の映像化だったような気がします。漫画でも描かれているのですが、モノクロで動きがないだけに映画化されて、それらが生き生きと表現されていることは素晴らしく映画館に足を運んだ甲斐がありました。

 

これを機に最近ご無沙汰している夢枕・岡野版の漫画(いまもクリニックのスタッフ控室に備えてある本棚のなかに立っています)も久々読み返そうかな~という気分になりながら、映画館を後にしました。