本作を雪が津々と降りつもる冬の寒い夜にT-Joy東広島にて鑑賞してきました。
話題の大ヒット原作漫画の劇場版です。といっても物語全体からすると前日譚となりますので、物語をまったく読んでいなくても観れますし、これから観始める最初のスタートコンテンツとしても活用できるよう設定されていますので、気楽にわたしも出かけてきました。
本作は、呪術や怨霊の戦いを縦軸としながら、横軸には学生時代の級友との深い友情の要素あり、幼き日の記憶、それに続く恋愛、愛情、果たそうとする約束の要素あり・・の痛快アニメ活劇となっていました。しかし同じ少年ジャンプから発生した「鬼滅の刃 無限列車編」にて横軸として表現された、正義の追求、自己犠牲の精神、世代の継承、親子の愛と契りとその実行・・・のような誰の胸にもグッとくる普遍性ほどには昇華されておらず、世代を超えてまでのメガヒットとまではいかないのかなとも思いましたが、それも呪術廻戦らしくていいのかもしれません。
また個人的には、本作の主人公と言える、内気で葛藤の強い優しい乙骨くんは性格も声も、まさにエヴァンゲリオンの主人公しんじそのものであり、エヴァンゲリストであるわたしとしては、そのニッチな部分に強く惹きつけられるものがありました。
実は正直に告白すると、漫画のほうは一応新刊が出るたびにチェックしているものの、どうも内容的に難解で、なんとか読んでいるものの理解に消化不良を起こしているような状態なので、本作鑑賞にも不安を感じながらの修行になったのですが、カラフルな色彩、登場人物のダイナミックなスピード感のある動き、劇場いっぱいに炸裂する迫力満点の効果音の助けもあり、かなりわかりやすく消化咀嚼できました。
残念ながら、アニメ版は経験していないのですが、本作を観て、漫画原作というコンテンツのみにこだわらず、アニメ版も経験することによって、原作の消化不良は解消することがわかったような気がします。
しかし、公私ともに勉強するべきこともいまだ多く、読破したい多くの本を常時抱えるわが身にとって、いまはまだアニメにまで手を広げるひまはなく、しばらくは原作のみとのお付き合いが続くことになりそうです。