本作を遅まきがら、やっとタイミングがあい、T-Joy東広島にて鑑賞してきました。予告編をみるだけで、不気味で強烈に怖い世界が待っているという印象にかられる本作は、週刊少年ジャンプにてすでにコミック累計2500万部の大ヒットを誇る原作の映画化ということであり、どんな物語なんだろうと興味を持ちながらの修行となりました。
観終わって思ったのは、本作においてはおそらく「わたしを離さないで」と「進撃の巨人」という名作の先達にインスパイアされた世界が展開されていました。一見平和で慈悲深い環境で暮らす少年少女たちを待ち構えている不条理と暴力に溢れる残酷な世界・・・。もちろん孤児院も壁も出てきます。
そんなデジャブ感のある世界でしたが、やはりその世界からの脱出物語はとても楽しめました。とくに孤児院の広大な森、輝くような緑と子どもたちがたわむれる映像は、映画ならではの大画面ではうっとりするほど透明感のある緑色が映えており幻想的で素晴らしい出来でした。
ただ本作はやっと壁を越えた少年少女たちというところで終わっており、「進撃の巨人」ならばここからがやっと本番であり、あのマーレの世界が待っているはずであり、もしや原作漫画にはそれがたっぷりと表現されているのかもしれませんが、原作漫画を読んでいない自分のような不束者には、映画だけではその点がまったく不明なので、やや未消化に終わってしまった感覚が残りました。続編も含め、今後に期待の作品でした。