スタンドバイミー2

コロナで上映がのびのびになっていた本作をやっと体験してこれました。前作「スタンドバイミー」はその手があったかというようなディズニー顔負けのマリオネーションアニメに、ドラえもんのなかでも一番泣けてくるエピソードを複数組み合わせて挿入し、何回観ても泣けるという作品だっただけに、今回の「2」にも期待が否応なしに高まりながらの鑑賞となりました。

 

内容的には、前回の続きともいえる、未来でののび太としずかちゃんとの結婚式の日のドタバタです。のび太がなぜか会場に現れない・・・。その非常事態を子どもののび太とドラえもんがなんとかしようとタイムマシンでおばあちゃんのところにまで行き、おばあちゃんの願いをもかなえて、なんとかふたりが無事未来へと歩みだすという物語になっています。相変わらず近未来の日本を美しいCGで見せてくれており、こんな街に住んでみたいなんて夢想してしまいそうです。

 

物語の内容としては、今作は起承転結で言えば、「承」という印象を持ちました。物語的にはやや地味ではあります。しかしあくまで本作は完結しておらず、しずかちゃんと結婚したのび太がこれからどう彼女をいかに幸せにしていくかに必然的に興味が向かいます。失敗ばかりだけれど、こころの優しいのび太君を選んだしずかちゃん。とてもめでたい展開ながらも観るものとしては、のび太&しずかのカップルのこの先が少々心配ではあります。観終わったばかりなのに、できればすぐにこの先の展開を観たくてたまらなくなりました。

 

実はそうした少年時代の主人公たちの未来を描いた作品が藤子不二雄先生にはあります。映像化はされていないのですが、かつて藤子先生のもう一つの名作「オバQ」の世界には、その後、「劇画・オバQ」という形で、未来のオバQ、大人になった正太、よっちゃん、ゴジラを描いており、シュールな現実ながらも素晴らしく示唆に富んだ作品でした。

 

この未来作品のドラえもん版を映画という形で、のび太くんやしずかちゃん、ジャイアンらの成長を観ることができるのならこんなうれしいことはありません。

 

というわけで、ぜひ、このマリオネーション・ドラえもんはシリーズ化して、行くところまで行ってほしいものです。わたしもどんなに年をとっても映画館に観に行くつもりですのでよろしくお願いします。