ドクター・スリープ

本作を例年より暖かな冬の夜に、わが街の映画館T-JOY東広島にて修行してきました。

 

あの言わずと知れた1980年上映の名作ホラー映画「シャイニング」の続編です。原作小説はスタンリー・キューブリックにより大胆に改編され、原作者スティーブン・キングからは「あの映画はホラーのなんたるかがまったくわかっていない」と大顰蹙と憤慨を買ったという前作ですが、それゆえにキューブリック印の複雑で痛快な恐怖作品ながら、主人公のジャック自体いったい何者なのかという、謎の多い、奥深い作品となり、映画好きなら知らぬ人がいないほどの金字塔となっています。

 

さて本作ですが、前作で残された遺児ダニーが成長して、あの忌まわしきオーバールックホテルを再訪し、そこで再び邪悪なものと対決するという物語になっています。本作の細部には、前作の構図の再現や隠し芸が多いということはなんとなく感じましたが、これは前作を見ていなければ、なかなか伝わりにくく、わたしにしても前作を見てから30年以上たってしまっており、DVDで前作を復習しておけばよかったという感慨を持ちました。

 

しかし前作を忘れていても、大人になったダニーの過去のトラウマの克服および魂の再生物語とみれば、十分に楽しめるようになっており、邪悪なものとの闘いはスリルたっぷりの手に汗握る展開となっており、ホラーというよりは痛快活劇を観たような気分になりました。あえて言えば、ジャックニコルソン演ずるジャックの再登場が欲しかったですが、おそらくその出演料は映画の制作予算にかなり響くので難しいかな~なんて思いながら、ダニーの魂の再生を見届けて、心晴れやか気分で帰路に着きました。