本作をGWが近づく夜にT-Joy東広島にて修行してきました。
ディズニーによる、含蓄のある心暖かになるハートフルストーリーです。
死者の国に、かつてギター一本でスターになるため、家族を捨て失踪したおじいちゃんを探しに行く、メキシコのギター少年ミゲル。当初のあてがはずれたものの、結局意外な形で再会を果たした祖父と孫、そしてミゲル一族のハッピーエンド。
物語はちょっとした意外性も含みシンプルに楽しめる作品です。
しかし特筆すべきは、アニメならではの・・というべきか、アニメを超えたというべきか、素晴らしい色彩の表現です。とくに死者の国は驚くほどの青を基調にしたきらびやかな世界で、青という色が好きなわたしも大満足の絵の表現にうっとりするほどでした。
本語で山椒のようにピリッと効いていたスパイスがありました。
死者の国では「生きている家族に忘れられると、死者の国からも存在が消える」という宿命なのですが、ミゲルのおじいちゃんを消さずにすんでいたのは、家庭を捨てた夫の失踪をきっかけに音楽さえも憎み続けながら、夫のことを憎みながらもずっと忘れずにいたミゲルのおばあちゃんであったこと。このエピソードが本作をより含蓄の深いものにしていたような気がしました。
また「ペンタゴン・ペーパーズ」もそうですが、本作もいまの現代アメリカへの警鐘を鳴らす裏のテーマがあったような気がしました。
アメリカ白人を中心とするアメリカ・ファーストを掲げ、移民を排斥する強い方針のトランプ大統領。彼だってかつては移民としてアメリカに上陸し、先住民アメリカインディアンを滅亡寸前にまで虐殺したアメリカ白人の末裔なのに・・・。そんな過去を顧みない現職大統領により露骨に排除されようとしているメキシコ移民。
しかし、彼らがこんな素敵な文化を持っていて、これらの要素はもともと移民の国であるアメリカにはこれからも必要で、それらとの融合がわたしたちの国を豊かにするんだよ・・・と本作の製作者がひっそりと語りかけてくるように思えてしまったのは、またまた妄想的なわたしだけだったのでしょうか?(笑)