本作を封切間もない夜にT-Joy東広島にて鑑賞してきました。あの傑作「ALWAYS 三丁目の夕日」のスタッフが満を持して製作したという話題作でもあり、上映時間もちょうどぴたりとあったので、ぜひ観ておこうと映画館に向かいました。封切間近でもあり、うれしい大画面の6番シアターでの鑑賞です。
物語は、DESTINY(運命)の下に出会った鎌倉在住の結婚不信を持つ中年作家と、年若き妻との生活が、妖怪や神様が人間と共存する摩訶不思議な街、鎌倉で展開していきます。
妖怪のしわざにより黄泉の国に逝った妻を取り戻しに、まるで「千と千尋の神隠し」のような列車(もちろん江ノ電です)で黄泉の国に向かい、そこで死んだ両親と再会し、若き日の両親の秘密をついに知り、幼い日から抱き続けてきた両親に対する誤解も解け、ふたりはなんと前世でも夫婦であったというオチが露見されたときに、なるほどそれでDESTINYなのね~・・という誠に腑に落ちる物語構成になっており、きれいなまとまりのいい作品でした。温かくてほっとする、寒い冬にはちょうどいい温度でわたしも本作を観終えるころにはほのぼのした心持ちになってしまいました。
個人的には昨年、東京在住の幼馴染みでもある親友と江ノ電に乗り、鎌倉の街を日がな一日じゅうあてどもなく散策していたこともあり、他の街には見られない鎌倉のほんわかしながら意外と含蓄がある、あの街独特の風情も十分理解でき、物語としては破天荒でむちゃなファンタジーなのですが、それでもあの街なら妖怪や神様ぐらいいてもおかしくないかも・・なんて自然に思ったりました。
鎌倉という街は、昨年の「海街diary」は言うに及ばず、古くは小津安二郎作品群でも素敵に表現された街ですが、富山と同じく日本の古き良き風情が残る街であり、また何度でも再訪したいな・・なんて思いながらの帰路になりました。