梅雨も中盤の遅い月曜の夜に本作を鑑賞してきました。なんと前篇を見逃していながら、後篇のみの修行となります。
しかし、東京に住む幼馴染に本作は面白いので絶対に観といたほうがいいと言われて、遅まきながらの本作鑑賞になりました。
本作に対する制作陣の気合いは、そのキャストを見るだけで十分に伝わってきます。
主人公の桐山零を演じる神木隆之介くんをはじめ、有村架純、高橋一生、倉科カナ、染谷将太、清原果耶、佐々木蔵之介、加瀬亮、前田吟、伊藤英明、豊川悦司・・・錚々たる布陣であり、なぜかわたしの好きな俳優たちがたくさん名を連ねており、楽しくないわけがありません。
内容も将棋という勝負の世界に生きる棋士たちの青春群像というか人生群像となっており、さまざまな感情移入ができる立体的な物語構成になっており、後篇からでも十分堪能させてもらいました。
奇しくもちょうど本作が封切られてから、世の中はデビュー以来破竹の29連勝という前代未聞の大記録を打ち立てた天才棋士・藤井くんの活躍が注目を浴び、現実の世界と映画の世界がまるでシンクロニシティしているような状態となったのが奇妙でありました。
また本作が封切られた平成29年という年に、以後百年は破られる事のないであろうという大記録29連勝という主人公と同じく若い少年によって偉業が達成されたという数字的にも不思議な縁を感じさせてくれる本作でした。
P.S.それにしても染谷将太の変貌ぶりというか怪演ぶりは括目すべき役者魂でした。おそらくその風貌は広島出身の早逝した棋士・村山聖さんをモチーフにしたものでしょうが、まあその変身ぶりは見事でクレジットを見るまで染谷くんが演じていることにはまったく気付きませんでした。その役者ぶりは主演の神木隆之介くんさえも凌ぐものであったことだけは言い添えておきます。