新宿スワン Ⅱ

本作を大雪がよく降った一月の終わった二月のはじめ、やはり凍えるような夜に観てきました。あえて前面に出して宣伝してませんが、わたしの大好きな映画監督、園子音の作品でもあります。

 

本作はいわれなければ、園監督が撮ったということがあまりわからないほど、迫力ある、チンピラ&やくざ映画になっていました。偶然、前回のブログで取り上げた「土竜の唄」もやくざ映画のシリーズ第二作であります。

 

でも本作はよく似た成り立ちであっても、かなりその内容は本格派で、スリルと友情と涙が滲んだ出来になっています。過去のやくざ映画へのオマージュのような物語構成やシーンもあったりして、さすが園監督と思ったりもしましたが、そんなことより物語自体が観る者をぐいぐい引き込むような吸引力があり、ラストまで一気にどっぷりのめりこむようなカタルシスを感じる本作でした。

 

観終って感じたのは、本シリーズによって、園監督はもう「デビュー作から続いてきた、カルトで暗い、詩的世界を漂う、難しい文学派監督・・というレッテルなどもう俺には必要ないし、返上させてもらう!」と高らかに宣言したいと決意しており、実際に本シリーズはそういうシリーズになりつつあるような気がします。拍手喝采です。

 

P.S.本作でも綾野剛の演じる龍彦より、深水元基が演しる関玄介の男気の魅力がスクリーンで圧倒的に輝いていて、思わず彼を中心とした続編での活躍をまた観たくなってしまいました。こんな感想を抱いたのはわたしだけでしょうか?いやいや、おそらくみんなそうなのでしょうね(笑)。