2013年度本屋大賞を受賞するほど大ヒットした小説の映像化である本作を年末になんとか鑑賞してきました。
日本が生み出した希有な大人物・出光佐三をモデルにした原作が素晴らしいだけに、あの世界を股にかけた大河ドラマにもできるような壮大な世界をどのように映像化するのだろう?と期待しての鑑賞となりました。
映画としては、すべての素敵なエピソードに深入りしていたら、たったの2時間で表現することなどできず、三部作ぐらいの長さが必要になるだけに、最初の妻との切ない別れとその後のエピソードと,イギリスによってなかば禁輸状態であった石油を輸入すべく、虎の子の巨大タンカー「日承丸」の中東決死行に思い切ってフォーカスを絞った作風にしたのかなと理解しました。
でもそれで十分だと思います。本作を観て物足らず、それでも出光佐三という人物に興味を持てば、すでに文庫化もされている原作に当たればいいのであり、本作の意義は、小説で想像された世界を実際に映像化してくれたことにあり、それだけでも十分に素晴らしいと思いました。
出光マークをモデルとした国岡商店のマークもチャーミングで良かったですよ。本作は映画だけで完結することは難しく、ぜひ原作の小説とともに楽しんでほしい作品です。
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シネ丸 (水曜日, 18 1月 2017 10:21)
原作・監督・主演が「永遠の0」と同じだったので若干の不安を抱えての修行でしたが、岡田君が変に苦悩するのではなく一途に突き進んでいく出光佐三を見事に演じ切り
なかなかの作品になっていました。 奥さんを演じた綾瀬はるかも出番は少なかったけど、いい味を出していてかわいかったですね。