オデッセイ

先日、例によってクリニックの診療が終わり、ぼけた頭を抱えたまま、夜更けのT-Joy東広島にて本作を観てきました。もちろん大スクリーンの6番です。

 

火星探査中のアクシデントで火星にひとり取り残された男がなんとか地球へ帰還するために、いろいろな科学的知恵を働かせて、最後は感動的な帰還を果たす・・SF好きにはよくあるテーマです。

 

わたしにとっても、かつて同様のテーマが手塚治虫先生や藤子不二雄先生による、キラ星のごとく輝く傑作短編SFのなかで、何度も同様テーマに触れた経験があるわけで、テーマそのものには新鮮味はありませんでした。

 

しかし、本作で特筆すべきことは、リドリー・スコット監督のまるで火星を思わせる素晴らしいリアルな科学的?セットと一見リアルな宇宙映像ではないでしょうか?火星や宇宙空間の現実はもっと過酷な状態では?なんて天文素人のわたしでも??と思いつつ、でも目の前に展開される圧倒的な映像迫力による説得力の前で

「うーん、これが火星の現実かも(゜-゜)・・・」なんと思わされてしまいます。これは映画館の大迫力で観るべき作品です。

 

さすがかつて「ブレード・ランナー」で世界を驚愕させた監督の手腕はいまの健在というわけです。

 

リアルで想像力あふれる映像は素晴らしいの一言でSF好きならまずはチェックの作品でした。でも本作でふと思ったのは、後半からNASAが中国の宇宙開発局と協力しながら、救出ミッションを果たすことです。いまや無視できない中国映画市場へのリップサービスともとらえられますが、どうやら原作自体にそれがあるとか・・・。

それを考えると本作の若いアメリカ青年の意識としても、こうした宇宙ミッションのパートナーはいまや日本やロシアではなく、中国ということ・・・? 

ふーむ、そういう現代は時代なんだな~と思いながら、車のステアリングを握りながらひとり帰路に着きました。なんだかやや複雑な心境にさせてくれた本作でした。

 

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コメント: 2
  • #1

    シネ丸 (水曜日, 16 3月 2016 10:28)

     火星に取り残されたマット・デイモンが,悲惨さをみせず前向きに行動する姿に勇気付けられた作品でした。  必ず地球に帰ってくるのはわかっていても,全世界の人が見守っている映像が映し出されると自分もその一人になっていました。 過去のSF映画の名作のようなミステリアスな部分はありませんが(例えば「インターステラー」),寒いこの季節に元気をもらえる修行となりました。

  • #2

    四季のこころ (日曜日, 17 4月 2016 23:08)

    いつもコメントありがとうございます。このところ忙しくブログ更新も滞っており、御心配をかけたかもしれません。クリニックも4年目に入りますが、今後もよろしくお願いいたします。 この主人公の火星からの脱出法ってよく考えれば、あり得ない手法ですよね。でもそれが成功するのを見届けるのは胸がすく体験でした。