先日、八丁座にて本作を鑑賞してきました。サロンシネマグループが毎月発行する広報誌「エンドマーク」の11月号表紙を飾っており、当然必見の作品となります。
いわゆる最近一ジャンルを形成しつつある難病物語です。本作でも何不自由なくセレブ生活を謳歌していたケイトに訪れた難病ALS。古くはルーゲーリック、新しくは徳田虎雄といった方がかかった、「徐々に進行し、筋肉(最後は呼吸する筋肉までも麻痺します)が自分で動かせなくなる治療方法のない疾患」です。
ケイトも自分で排泄さえできなくなるという状況に陥りながら、自分のことを本当に代弁してくれる介護士を探しだします。それが一見自由奔放、悪く言えばいい加減でおおざっぱな、大学を中退したばかりのベック。最初のころはけんかばかりのふたりのなかに、徐々に芽生えていく絆。
ベックはベックで、社会不安障害的な症状に悩まされており、それらの克服をしながら、ついにくる別れのとき。サロンシネマ1では、映画の終わりごろは女性のすすり泣きが起こるほどの切なさとともに、観終ったあと、「ケイトの最後の1年間は本当の友だちをもてて、悔いがなかったのでは」とも思われ、爽やかな気分にもさせてくれる映画でした。
ちょっと前のフランス映画「最強のふたり」の女性版ともいえる内容の本作ですが、女性特有の友情関係もうまく表現されており、悲劇のなかにもユーモアも漂っていて、バランスのいい作品だなという印象をもち、少し元気をもらえた映画になりました。
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