バケモノの子

全国の小中学生が夏休みに入って間もなく、封切まじかの本作を運よく早めに観てきました。「時をかける少女」から「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」など発表されたメジャー作品にはまったくはずれがない、快進撃中の細田守監督の作品です。個人的には「サマーウォーズ」がもっとも好きな作品であり、それを今作が超えているかという興味もあったりしました。

 

結果ですが、個人的にはまだ「サマーウォーズ」のほうが好きなのですが、本作のほうが万人受けすることは間違いなく、細田監督は、宮崎駿監督がいまや長編を作らなくなったと宣言した現代においては、宮崎監督を継ぐアニメ制作者への階段をまた登ったのだという確信をもって映画館を出たわたしでした。

 

「サマーウォーズ」が「ラピュタ」的なら、本作は「千と千尋」的世界というべきでしょうか。こうして並べると、個々の作品の質はやはりまだ宮崎作品のほうが魅力的ですが、細田監督はまだ若くこれからさらに伸びしろがあるわけで、今後の成長に大いに期待です。


絵自体が素晴らしいのはいうまでもないのですが、物語自体も細田監督オリジナルで、勇気、友情、成長といったまるで少年ジャンプの3原則のような素晴らしいテーマがくさくない形で笑いと涙を通して子どもから大人まで楽しめる作品として明快に表現されており、素晴らしい出来でした。

未来の宮崎監督作品なきいま、日本は細田監督という才能を得たことを全国津々浦々の映画館で実感する夏となりそうですね。

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コメント: 2
  • #1

    シネ丸 (火曜日, 25 8月 2015 09:33)

     興行収入50億を超え大ヒット ジプリの最近の作品に比べると,子供から大人まではまってしまう細田ワールド全開という印象ですね。  シネ丸も子供のころにみた東映マンガまつりみたいに童心に返ったり,親心をくすぐられるシーンでは涙が出たり,しっかり楽しませていただきました。

  • #2

    tomiyasu motoharu (月曜日, 22 2月 2016 10:28)

    細田監督の作品はみたことがないのですが、巨匠宮崎駿監督につづくわかい方がでてきたのはうれしいことです。のびしろがあるかないか、新藤兼人監督は、齢いがいってからも
    いい作品をつくられたのでしょうか・鈴木清順監督は作品をつくられないんでしょうか。