先日、史上最大のスーパー台風・台風19号がやってくるという情報であらゆる交通機関がマヒしていた休日(今回の台風は大型大型なんていいながら意外にたいしたことはなく、わたしの友人などはオオカミ少年ならぬオオカミ台風だったって言ってました)に、新装なったサロンシネマ2にて本作を観てきました。
鷹野橋から八丁堀へ移転。かつて東急ハンズの上にあった廃業映画館を改装してのサロンシネマ再オープンで、映画そのものよりも今回は映画館を鑑賞するという大きな目的に惹かれての鑑賞になりました。隣のサロンシネマ1で上映されている「グレートデイズ」も考えましたが、前に観たフランス映画「最強のふたり」の親子版?という印象が強く、あえて本作になりました。わたしの大好きなルキノ・ビスコンティ監督がイタリア人でもあり、イタリア映画に対する期待感も手伝っての選択です。
さてさて鑑賞後の印象としては、まるでフランス映画のようなポエトリカルな作品に仕上がっていました。イタリア公立高校で働くそれぞれの事情と信条を抱えた3人の教師と生徒たちとのそれぞれの物語が同時並行に進んでいきます。わたしとしては、女性校長と若手熱血補助教員の話は結構乗れてみれたのですが、引退寸前の老教師のエピソードになるとなぜか眠くなってしまうことがあり、かえって自分のなかにこの手のエピソードに精神的抵抗があるのかも?・・・なんて逆に興味を持ったりしました。
映画全般としては、あえて盛り上がりを抑制したシンプルな文学的(詩的)作品で、映画ファンのための作品という感じであり、あまりふつうの観点からはおもしろい作品としてはおすすめできないかな・・なんて思いました。
ところで新装なったサロンシネマですが、今回はサロンシネマ2のほうでした。こちらはかつてシネツイン新天地で使われていた赤いシートをリフレッシュさせ、横壁の照明には建築家フランク・ロイド・ライトによる照明作品をあしらってみたり、素敵な空間を作り上げていました。さすがだな~と感心しました。サロンシネマ1での鑑賞も楽しみです。
それとおっと思ったのは、今回映画上映前にスタッフによる前口上も入れていました。これはオープン記念限定なのか、それとも恒例にするのかはわかりませんが、なかなか含蓄や想いの入ったよい前口上だったので、せっかくだから続けて欲しいものです。
わたしのほうはそれからフジグラン広島店の北海道展に寄り、六花亭のレーズンバターサンドを見つけた喜びで東広島への家路へ着きました。