先日サロンシネマ1にて本作を鑑賞してきました。親友から観といた方がよいという話を聞いていたので、なんとか間に合ったという思いでの鑑賞修行となりました。
原作は大ベストセラーだったので、話の概略はなんとなく知っていての鑑賞となりました。
いやはや浅野忠信も二階堂ふみさんも大変な熱演で、今後それぞれの代表作と呼ばれるのではないでしょうか?最近の浅野さんはなにかふっきれたようで、NHKドラマ「ロング・グッドバイ」といい、存在感のある役がとても印象的です。二階堂ふみさんはまだ十代とは思えない演技で、主人公の中学から20代前半の社会人までを見事に演じわけており、わたしなどは中学時代は別人が演じているのでは?と思っていたほどでした。
北海道の流氷の町を舞台に繰り広げられる、親子であるという秘密を超えた情念。血の繋がりと体の繋がりの相克・・・。理屈を超えて試験管のなかでのように成長した女の感性と本能・・・。どろどろとした物語であるにもかかわらず、そうなっていないのは監督・熊切和嘉のリリシズムといったところでしょうか?物語的には園子温監督が撮りそうな作品なのですが、この清廉さは熊切監督ならではのもので、観たもののこころにいつまでも残る不可解な物語と映像でした。
おかげで原作も読んでみたいと思ったわたしは文庫版を本やで買ってしまいました。ぜひ地元東広島のT-Joyでも上映されればと考えてしまう作品でした。