オン・ザ・ロード

年の瀬も押し迫った12月25日に遂に待望の「オン・ザ・ロード」をサロンシネマ1にて観てきました。原作はビート・ジェネレーションの頭領といえる、ジャック・ケルアックです。ボブ・ディランや佐野元春、浜田省吾などを若いころ聞いたわたしにはこの原作は青春のバイブルともいえ、待望の映画化です。当然、彼らも世界のどこかで観ているのだろうな~と思いながら、映画館に馳せ参じました。

なんでもフランシス・コッポラが強く熱望し、激しい争奪戦を経て映像化権を得たものの、結局メガホンはあえて若手監督(といっても既に傑作「モーターサイクル・ダイアリーズ」を撮ってるのだから若手というのは失礼かも)に任せ、彼は製作総指揮の座にとどまったというところもこの原作の崇高さというかアンタッチャブルぶりがよく出ていると思います。

当日もこの映画に期待する、暑い?想いのわたしのような中高年や新しき若者らが集ってサロンシネマ1としては珍しく盛況でした。さて作品そのものですが、メキシコを50年代アメリカの原風景として、うまく撮ることに成功していました。かつて活字のなかで想像していた風景は実はこういう感じだったんだ、ふむ、ふむ・・・という感じで観終わりました。これは当然ディスクも買って、何回も鑑賞せねば・・なんて思いましたが、一方で、原作に興味のない方には、たんなるダラダラと続くロードムービーともいえ、そうした方の感想を聞いてみたいと思いながら、映画館を後にしました。

 P.S.一言だけ不服を申せば、主役のふたりは本物のジャックとニールにもう少し似た俳優をキャスティングしてほしかったです。俳優としては演技のうまい悪くない俳優なのですが、本物はもっとやせてシャープで男前でしたから。