年末に「利休にたずねよ」をT-joy東広島にて観てきました。利休という人物は歴史的に謎が多く、短い生涯で現代に続く茶の世界を完成した人物でもあり、たいへん興味深く観に行きましたが、残念ながら映画としてはどうかな?という印象でした。原作は直木賞を受賞しており、文字として読むと人物の心象風景も詳細に描写されて、それは説得力があるのでしょうが、映像として、利休の美への命をもかけた執着の根っこが若いころの一時の悲恋にあったと言われてもうーん?そうなの?という感じではありました。しかし一方で、この作品において、市川團十郎(作品完成後一か月前後で亡くなられました)と海老蔵親子の最期の共演が映像化されており、この点においてこの作品は類まれな作品となっているし、同時に映像自体はなかなか落ち着いていて、さすがに「わびさび」を創生したという利休をテーマにした作品と思いました。