先日、遅まきながらやっと「ダイアナ」を観てきました。近年、英国映画の傑作には「エリザベス」や「サッチャー」「英国王のスピーチ」等を始め、英国偉人伝が多いです。なかなかの傑作も多く、いつも感心しています。
この現象は世界的にも歴史や記録の深いイギリスだからか、それとも文化的に成熟(老化?)が進みすぎて、物語を新たに創作するエネルギーが枯渇し、実在の人物を史実に基づいて扱うぐらいの創作エネルギーしか残っていないのか、議論を呼ぶところです。
さて本作「ダイアナ」ですが、それら傑作の系譜に連なるのか?と思い、鑑賞しましたが、完全な私小説的映画でした。 ドキュメンタリー的要素(悪く言えばワイドショー的)が強く、イマジネーションを喚起する力が弱く、映画の出来うんぬんを語るのが野暮かなと思う作品であったことを告白します。
しかし、内容はスキャンダラスで、これはこれで語るべきことがあります。
ダイアナの死に連なる、一連のスキャンダルの内幕の暴露といった風情でしょうか。
実は、世紀の死に絡む恋愛自体が、本物の恋に破れたダイアナの操作的言動であったとは・・・。
英国のロックバンド「WHO」(わたしも若いころよく聴きました)の傑作「Substitute(恋のピンチヒッター)」を地で行くダイアナ。しかし、ダイアナの恋のピンチヒッターの選択はあまりに危険な賭けであったわけです。
遠く極東に住む一医者などから見ても、ダイアナの死は,万一ダイアナが異教徒と再婚し、子どもを産んでしまったら、伝統の英国国教会の宗主たる将来の英国王(現在のウィリアム王子)の異父兄弟が忌まわしき異教徒になってしまうわけで、この英国王室にとって致命的事件を避けるべく、最悪の事態が発生する前に英国諜報部あたりが、彼女を葬り去ったと見えるわけですが、この映画の内容が本当だったとしても、いずれにせよ異教徒との恋であることには変わらず、ダイアナの死は必然だったのかなと思いながら帰路につきました。
P.S.今回のコメントはこの映画を観てない人には何を言っているのかわからないかもしれず、申し訳ありません。。もしこの駄文で興味を持たれた方はぜひDVDでぜひ鑑賞してください。なるほどね~と思ってもらえると思います。
そして、恋というのは、ダイアナの恋に限らず、いつもかげろうのようにうつろで、説明ができないほどあいまいな蠱惑的な世界でこそ輝き、そこに永遠に封印されているのかもしれません。
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narata (火曜日, 03 12月 2013 16:15)
残念でございました。チケット紛失の私は結果オーライでしょうか?魅惑的なダイアナ妃は、先生の仰る通り「封印」ですね。
さて、話は変わりますが…REDリターン スカッとしました。年を重ねてもそれぞれカッコヨカッタです。
fourseasons-clinic (土曜日, 07 12月 2013 13:33)
「ダイアナ」という作品は男性にとっては微妙な作品でしたが、女性にとっては女性の嫉妬心と感情の揺れを赤裸々に描いており、「こういう気持ちってわかる、わかる・・・」という結構素敵な作品かもしれません。
結局、映画に限らず、すべての作品というものはそれを感じる人の捉え方次第であり、このブログの内容もあくまでもわたしの印象にすぎませんので、あくまで参考にしてくだいね
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